南海トラフ地震臨時情報、発表されたらどうする?

防災情報

2024年8月8日、宮城県の日向灘を震源とする地震が発生しました。

最大震度は6弱、マグニチュードは7.1と推定されるこの地震に伴って、南海トラフ地震臨時情報というものが発表されました。

聞きなじみのない文字列なだけに、

  • 「南海トラフ地震」ってヤバいって聞くけど大丈夫なの?
  • これは一体どんな情報なの?
  • 私たちは何をしたらいいの?

など、疑問も多いかと思います。

そこで今回は、この「南海トラフ地震臨時情報」について解説します。

「南海トラフ」および「南海トラフ地震」とは

南海トラフ地震臨時情報について触れる前に、「南海トラフ」と「南海トラフ地震」とは何かおさえておきましょう。

南海トラフ

日本列島の周辺には、「太平洋プレート」「フィリピン海プレート」「北米プレート」「ユーラシアプレート」という4枚の「プレート」と呼ばれる岩盤がひしめき合っています。このうち、フィリピン海プレートとユーラシアプレートが接する海底の溝状の地形を形成している区域を「南海トラフ」と言います(下図)。「トラフ(trough)」とは浅い海溝を意味しています。

南海トラフ地震は海溝型地震

フィリピン海プレート(海のプレート)は、1年あたり数センチの速度でユーラシアプレート(陸のプレート)の下に沈み込んでいます。

このとき、陸のプレートを引きずり込みながら沈み込んでいくのですが(①図)、陸のプレートが引きずり込みに堪えられなくなったとき、大きく反発し跳ね上がります(②図)。

この瞬間、陸のプレートと海のプレートの境界で大規模な地震や津波を引き起こします。

この発生メカニズムは「海溝型地震」と呼ばれ、マグニチュード8~9クラスの巨大地震になることが多いです。2011年3月11日に発生した東日本大震災(マグニチュード9.0)が海溝型地震でした。これと同規模の巨大地震が、南海トラフでも起きようとしているのです。

南海トラフ地震は切迫している

南海トラフ地震は100年から150年の間隔で発生しています。

前回発生したのが1946年で、80年近くが経過していることから地震発生の切迫性が高まっています。

南海トラフ地震に関連する情報

2019年以降、南海トラフ沿いで異常な現象が観測されたとき気象庁から南海トラフ地震に関連する情報が発表されるようになっています。これには南海トラフ地震臨時情報南海トラフ地震関連解説情報というものがあります。

南海トラフ地震臨時情報については、2024年8月8日の日向灘の地震を受けて初めて発表されました。

南海トラフ地震臨時情報

南海トラフ沿いでマグニチュード6.8以上の地震が発生したり、普段と異なる地殻変動が観測されたりした場合に、その現象が南海トラフ沿いの大規模な地震と関連するかどうか専門家による調査が開始されると、気象庁から「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」という形で発表されます。

調査は最短2時間で結果が発表されます。巨大地震が発生する可能性が平常時と比べ相対的に高まったと判断された場合、「巨大地震警戒」か「巨大地震注意」が発表されます。

これらの情報が発表された後の地震活動や地殻変動などの状況については、随時「南海トラフ地震関連解説情報」を発表します。

私たちがとるべき行動

南海トラフ地震臨時情報(調査中)が発表された場合、今後の情報に注意しながら個々の状況に応じた対応をとることになります。

具体的には

  • 地震が発生したらすぐに避難するための準備(非常持ち出し袋の準備)
  • 地震への備えの再確認(家具の固定、ガラスの飛散防止等、備蓄の確認)
  • 「巨大地震警戒」の場合、障がい者や高齢者の事前避難

といったことが必要です。

出典:内閣府

南海トラフ地震の被害想定

最後に、南海トラフ地震の被害が及ぶ範囲などを確認しておきましょう。自分の住む地域がどのような被害が想定されるのかを知っておくことが重要です。

なお、これらの情報は気象庁のホームページに掲載されたものを引用しています。

震度分布

静岡県から宮城県の沿岸部では震度7となる可能性があります。西日本の日本海側でも震度4~5弱程度の強い揺れになることが想定されています。

出典:気象庁

津波

関東地方から九州にかけての太平洋沿岸の広い地域に、10メートルを超える大津波の襲来が想定されています。

出典:気象庁

まとめ:いざというときの備えをしっかりと

南海トラフ地震による死者32万3000人、倒壊および焼失する建物はあわせて238万6000棟と言われています。南海トラフ地震は切迫性が高まっており、「いつ起きてもおかしくない」と考えておくべきです。

南海トラフ地震臨時情報が「調査終了」となった場合でも、家具を固定しておく、非常持ち出し品を揃えておく、避難経路を確認しておくなど自分ができることをしっかりと行い、日ごろから少しでも自分の命が助かる行動をとりましょう。

南海トラフ地震臨時情報が出ても何もなかったからよかった、で終わってはいけません。

100回空振りでも、101回目は助かるように

できる限りを尽くして、この危機を乗り切りましょう。

非常持ち出し品はまとまったものが便利

いざ非常持ち出し品を準備しようと思っても、何を揃えたらいいか迷いますよね。

そんな時は、必要なものがセットになった「防災リュックを購入してはどうでしょうか?

これらの防災リュックは、災害時の避難に必要なものがひとまとめになっています。これをベースに自分にとって必要なものを追加するのがおススメです。

これを機会に防災リュックを作り、来るべき危機に備えましょう。

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