モノや情報があふれている現代社会において、心の豊かさをいかにして確保するかが課題の一つです。
人の欲は果てしないもので、1つ手に入れても、あれもこれもと不足を唱えがちですよね。
そこで紹介したいのが「足るを知る」という考え方です。
「足るを知る」とは
「足るを知る」は、老子の言葉です。正確には「足るを知るものは富む」と言います。
満足することを知っている人はたとえ貧しくとも精神的には豊かである、自分の持っているものや状況に満足し十分であると感じる、といった意味です。
今は情報やモノがあふれるほどあります。テレビやインターネット、スマホで簡単に知ることができます。
「あれが欲しい」「こういうふうになりたい」といった人の欲を駆り立てるのに苦労しませんが、「自分に足りないもの」ではなく「今足りていること」を大事にしていこうというのが「足るを知る」の考え方です。
「世界一幸せな国」だったブータン王国の事例
ここで一つ、ブータン王国の事例をあげてみます。
ブータン王国は、2013年の幸福度ランキングにおいて、北欧諸国に続いて世界8位となり、「世界一幸せな国」として一躍有名になりました。
「雨風をしのげる家があり、食べるものがあり、家族がいるから幸せだ」と、ブータンの人々は言っていました。
ところが、今はランキング圏外となっています。
ブータンで何が起きたのでしょうか?
ブータン王国は、南アジアにある人口86万人余りの小さな国です。
九州くらいの大きさの国土の72%は森林で、農業を基幹産業としています。
鎖国的な政策をとっていましたが、1971年には国連に加入、外国人の観光客を受け入れるようになりました。
さらに1999年には、テレビとインターネットが解禁となり、ブータンは急速に近代化、欧米化が進みました。
その結果、外国の情報が国内に入ることによって自分の国と比較するようになってしまったのです。
「足るを知る」ために必要なこと
この事例を踏まえて、「足るを知る」ために必要なことは次の通りです。
①自分を見つめなおす
まずは自分が持っているもの、おかれている境遇、強みなどを棚卸してみてください。
同時に、どうなったら幸せか、何を持っていれば満足なのかも考えてみましょう。
自分自身の価値観や満足度を尊重し、自分にとって本当に大切なことに焦点を当てることが重要です。
②他人と比較しない
「隣の芝は青く見える」という言葉があるように、他人の状況や物事は自分のそれよりもよく見えてしまうものです。
他人ではなく、自分に目を向けてください。
大切なのは自分自身の価値を認めることであって、他人の評価や社会的なステータスに執着することではありません。
③感謝の気持ちを持つ
日常生活の中で小さな喜びや幸せに目を向け、感謝の気持ちを表してみましょう。感謝の気持ちを持つことで、現在の状況や持っているものに対する満足感が高まります。
まとめ:自分の持っているものに感謝しよう
いかがだったでしょうか。
これらの要素を実践することで、足るを知る心の状態を培うことができます。
自分の持っているものや経験に感謝し、他人との比較や無駄な欲求にとらわれず、自己受容や目標設定に基づいた選択を行うことが大切です。
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