障がい福祉サービス利用までの8つのステップ

障がい者福祉

障がい福祉サービスを利用してみたいと思っても、どうしたらいいのか分かりにくいですよね。

今回は、障がい福祉サービスを利用するための申請からサービス利用後までを解説します。

この記事で解決できる悩み・疑問
  • 障がい福祉サービスにはどんなものがあるの?
  • 障がい福祉サービスの利用手順は?
  • 相談支援専門員とのかかわりは?

障がい福祉サービスの体系

解説に入る前に、障がい福祉サービスの体系について簡単に触れておきます。

サービスの種別によって、手順が若干異なるためです。

なお、大人の場合は「障がい者」、子どもの場合は「障がい児」と呼称します。

主に障がい者が利用できるサービス

障がい者の場合は、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳および自立支援医療受給者証を持っていることが条件となります。

障がい児の場合は、手帳を持っているか医師の意見書によりサービスの利用が必要と認められた場合に利用できます。

介護給付

「介護」とついていますが、「介護保険のサービス」という意味ではありません。

介護が必要な障がい者に対して行われるサービスです。

介護給付には、以下のサービスが属しています。

居宅介護(ヘルパー)、重度訪問介護、同行援護、行動援護、短期入所(ショートステイ)、重度障害者等包括支援、療養介護、生活介護

一部のサービスは、障がい児でも利用することができます。

訓練等給付

生活や就労の訓練が行われるサービスです。

訓練等給付には、以下のサービスが属しています。

自立訓練、就労移行支援、就労継続支援(A型、B型)、共同生活援助(グループホーム)、自立生活援助、就労定着支援

障がい児が利用できるサービス

各種手帳や自立支援医療受給者証を持っている場合のほか、医師の意見書等によりサービスの利用が適当と判断された場合に利用できます。

障害児通所支援

通所することで利用できるサービスで、市町村に申請するものです。

障害児通所支援には、以下のサービスが属しています。

児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援

サービスの内容については、下記の記事を参考にしてください。

障害児入所支援

障害児入所施設への入所を目的としたサービスで、児童相談所に申請するものです。

障害児入所支援には、以下のサービスが属しています。

福祉型障害児入所支援、医療型障害児入所施設

障がい福祉サービスを利用するための8つのステップ

障がい福祉サービスの体系を抑えたところで、障がい福祉サービスの利用の手順を見ていきましょう。

【ステップ1】相談

障がい福祉サービスを利用したいと思ったら、まずは市町村の障がい福祉係または相談支援事業所に相談しましょう。

【ステップ2】申請書の提出

相談の結果、サービスの利用が必要となった場合、お住いの市町村に申請します。

サービスを利用する際には、相談支援専門員がサービス等利用計画というものを作成しなければならないことから(詳細は後述)、申請時にどの相談支援事業所に作成を依頼するかを事前に決めておく必要があります。

【ステップ3】障害支援区分の認定調査

介護給付を利用する場合のみ、認定調査が必要となります。

障害支援区分は1~6まであり、数字が高いほど必要な支援の度合いが高いという判定です。

サービスにより、一定の区分が必要となります。例えば、居宅介護(ヘルパー)は区分1以上でなければ利用することができません。

調査は、本人への聞き取りにより行われます。

調査項目は次の通りです。

移動や動作等に関連する項目

寝返り、起き上がり、座位保持、立位保持、歩行、衣服の着脱など12項目

身の回りの世話や日常生活に関する項目

食事、入浴、トイレ、金銭管理、掃除、洗濯など16項目

意思疎通等に関する項目

視力、聴力、読み書きなど6項目

行動障害に関する項目

被害的・拒否的、作話、自傷・他害、反復行動など34項目

特別な医療に関する項目

透析、ストマの利用、気管切開、経管栄養など12項目

審査会

以上80項目を聞き取った結果を審査会にかけ、区分を認定します。

調査から審査会を経て区分が出るまで、約1か月かかります。

【ステップ4】サービス等利用計画案の作成(相談支援事業所)

相談支援事業所の相談支援専門員が、本人やその家族などに聞き取りを行い、サービス利用の頻度や目標などを定めます。

希望や思いがあれば、なんでも話してくださいね。

【ステップ5】サービス担当者会議

市町村の担当者やサービスを提供する事業所の担当者が集まり、顔合わせやサービス等利用計画案の説明などを行います。

【ステップ6】支給決定

市町村により支給決定が行われ、受給者証が交付されます。

【ステップ7】サービス利用の開始

受給者証が交付されたら、サービス等利用計画や受給者証の内容に基づいて、サービスを利用することができます。

【ステップ8】モニタリング

一定期間ごとに、相談支援専門員が本人やそのご家族等の様子を伺い、サービス等利用計画の見直し等を行います。

まとめ:相談支援専門員と連携を

以上が、申請からサービス利用までの手順となります。

サービスの利用計画は相談支援専門員が作成しますので、無理のないサービス利用に向けて、希望などをつぶさに伝えることが大切です。

相談支援専門員については、下記の記事もご覧ください。

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